試製景雲(艦偵型)の真価とは?性能・入手任務から噴式改修まで徹底解説
第二次世界大戦末期、大日本帝国海軍が極限の高速性能を求めて生み出した異形の偵察機「景雲」。その陸上機としての設計をもし空母航空隊が運用していたらという、工学的ロマンとif(もしも)を具現化した装備が『艦隊これくしょん -艦これ-』に登場する「試製景雲(艦偵型)」です。長年、多くの提督や航空機ファンを惹きつけてやまないこの機体は、単なるマニアックな架空兵器にとどまらず、ゲーム内の戦術構造や航空史のミッシングリンクを読み解く上で極めて重要な位置を占めています。
圧倒的な索敵能力を誇りながらも、標準的な艦偵の代表格である「彩雲」とは全く異なる役割を持ち、最終的にはジェット化された「噴式景雲改」へと昇華する特異な系譜。なぜ試製景雲(艦偵型)はこれほどまでに熱烈な視線を集め、改修優先度の議論で常に名前が挙がるのでしょうか。本稿では、当時の技術陣の手記や海軍航空技術廠(空技廠)の記録、そして最新の運用環境と検証データに基づき、この「幻の高速偵察機」が秘める真の価値を徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:史実の十八試陸上偵察機「景雲」を艦上運用機へと再定義した装備であり、全艦偵中トップクラスの「索敵値+11」を誇る。
- 要点2:彩雲と異なり「T字不利回避」を持たない一方、艦隊索敵値の底上げと高精度な触接トリガーとして絶大な優位性を持つ。
- 要点3:改修工廠で★maxまで強化し「ネ式エンジン」を投入することで、先制爆撃を放つ「噴式景雲改」へと劇的な進化を遂げる。
【歴史の深層】空技廠が挑んだ「十八試陸偵」の正体と艦上機化のIF構想
試製景雲(艦偵型)のルーツを探るには、昭和18(1943)年に海軍航空技術廠(空技廠)で開始された十八試陸上偵察機「景雲(R2Y1)」の開発計画まで時計の針を戻す必要があります。当時、米軍の防空網は急速にレーダーと高速迎撃機で固められつつあり、従来の偵察機では生還が極めて困難になっていました。そこで海軍が求めたのは、敵戦闘機の追随を許さない「高度1万メートルにおける最高速度740km/h以上、航続距離3,300km以上」という途方もないスペックでした。
設計主務者を務めた山名正夫技術大佐ら空技廠の俊英たちが下した決断は、当時の常識を覆す空力設計でした。空気抵抗を極限まで削ぎ落とすため、ドイツのダイムラー・ベンツDB601をライセンス生産した「アツタ30型」水冷エンジンを前後並列に連結した「ハ70型(3,400馬力)」を採用。この巨大なパワーユニットを機体中央(コックピット後方)に据え、機首の6翅プロペラまで延長軸(ドライブシャフト)を通して駆動させるという、世界的に見ても極めて野心的なレイアウトを選択したのです。
しかし、当時の技術者たちが戦後に残した回想録や資料によると、この過密な集中配置は熱と振動の地獄を生み出しました。昭和20(1945)年5月、木更津飛行場で行われた初飛行では、延長軸の異常振動と過熱による油煙が発生。続く2回目の飛行試験でも冷却不足による火災事故を起こし、抜本的な改修を待たずして米軍の空襲により試作1号機は灰燼に帰しました。
この陸上機として命脈を絶たれた景雲を、もし大型正規空母での運用を前提に「艦上偵察機」として再設計したらどうなっていたのか。着艦フックの増設や主翼折りたたみ機構、脚部の強化などを施した仮想の姿こそが、本作における「試製景雲(艦偵型)」です。陸上機の枠組みを超えて母艦航空隊の眼となる構想は、当時の航空技術者たちが抱いた高速化への執念を美しく昇華させたifの世界線といえます。

幻の高速偵察機「試製景雲(艦偵型)」の真の評価とは?圧倒的索敵と噴式への布石
ネット上のコミュニティや提督の間で「試製景雲(艦偵型)」が常に議論の的となる最大の理由は、偵察機単体としての特異な性能バランスと、次代の決戦兵器「噴式景雲改」へとつながる通過点としての重要性が複雑に絡み合っている点にあります。
装備スペックに目を向けると、索敵値は「+11」という極めて高い数値を叩き出します。航空戦における触接開始判定や、連合艦隊におけるルート分岐の成否を分ける「33式索敵スコア」の計算において、この+11という数値は単一のスロットで稼げるスコアとしてトップクラスの効率を誇ります。さらに命中+2、対空+1という手堅い補正も備えており、艦隊全体の命中精度の引き上げにも静かに寄与します。
しかし、多くのプレイヤーが直面するジレンマが「彩雲との使い分け」です。空母運用の大原則とされるT字不利を帳消しにする能力を持たないため、初見では「彩雲の完全上位互換ではないのか」と戸惑う声も少なくありません。だが、この機体の本質はそこにとどまりません。歴史の歯車が噛み合わず途絶えた計画を「ネ330」ターボジェットエンジンと結びつけ、先制航空攻撃を可能にするハイブリッド機「噴式景雲改」へと転生させるための“揺籃”としての役割こそが、この機体の真のアイデンティティなのです。
【徹底比較】彩雲・二式艦偵・試製景雲の性能データ検証
航空戦を有利に運ぶ上で、艦上偵察機の選択は戦況を大きく左右します。名機「彩雲」、熟練提督に愛用される「二式艦上偵察機」、そして「試製景雲(艦偵型)」の3機種について、客観的な性能データと戦術的役割を比較検証しました。
| 項目・機体名 | 試製景雲(艦偵型) | 彩雲 | 二式艦上偵察機 |
|---|---|---|---|
| 索敵値 | +11 | +9 | +7 |
| 命中値 | +2 | +2 | +3 |
| 触接時攻撃力補正 | 1.17倍(命中+2枠) | 1.17倍(命中+2枠) | 1.20倍(命中+3枠) |
| 特殊効果 | なし(噴式更新の素体) | T字不利を完全防止 | 一部艦娘への装備ボーナス |
| 戦術的立ち位置 | ルート索敵特化・噴式母体 | 艦隊の事故防止・標準偵察 | 開幕航空攻撃の打力最大化 |
データが示す通り、触接成功時の航空攻撃力上昇率においては命中+3を持つ二式艦上偵察機(1.2倍)に一歩譲り、艦隊の火力下限を保証するT字不利防止能力では彩雲に軍配が上がります。しかし、試製景雲(艦偵型)は「全機体屈指の触接開始トリガー」と「突出した索敵スコア稼ぎ」を同時に成立させられる唯一無二の機体です。索敵条件が極限まで厳しい高難度作戦海域において、スロットを圧迫せずにルート固定を達成する鍵として重用されています。

【実態検証】試製景雲(艦偵型)の入手手順と任務達成における落とし穴
試製景雲(艦偵型)を配備するまでの道程は、決して平坦ではありません。工廠任務や機種転換を伴う一連の任務群は、多くの資材と計画的な準備を要求します。
機体を入手するための主流ルートとなるのが、関連任務「新航空偵察部隊、抜錨せよ!」などの工廠連動任務です。この過程では、零式水上偵察機や九七式艦攻などのベース機体の廃棄に加え、開発資材、そして何より貴重な「改修資材(ネジ)」が大量に求められます。多くの提督がSNSやコミュニティで「ネジの消費が重すぎる」「熟練度付け直しの手間を考えていなかった」と悲鳴をあげるのは、この工程の重厚さに起因しています。
現場の検証において特に注意すべき落とし穴は以下の3点です。
- ロック解除忘れによる任務未達:廃棄対象となる機体の装備ロックを外していなかったため、廃棄カウントが進まず資材だけを浪費してしまうケアレスミスが後を絶ちません。
- 前提任務ツリーの広大さ:北方海域の攻略任務や空母機動部隊の出撃任務など、数々の前提ツリーをクリアしなければ工廠任務そのものが出現しない構造になっています。
- 改修素材としての零式艦戦52型の枯渇:後述する改修更新を進める段階で、大量の艦戦や艦上爆撃機が共食い素材として消費されるため、開発レシピを回すボーキサイトの備蓄が枯渇するケースが頻発します。
計画的にウィークリー・マンスリー任務で改修資材を貯蓄し、デイリー開発で必要な素材機体を確保しておくことこそが、最短距離で試製景雲を手元に引き寄せる王道です。
改修更新の終着点「噴式景雲改」への道|ネ330ターボジェットの破壊力
試製景雲(艦偵型)を手に入れた提督の多くが次に目指すのが、改修工廠での★max化、そして「噴式景雲改」への改修更新です。このアップグレードは、偵察機から「噴式戦闘爆撃機」への劇的なクラスチェンジを意味します。
史実において、レシプロ推進の限界とハ70型エンジンの構造的欠陥に直面した海軍航空本部は、景雲の機体を流用したジェット攻撃機化を検討していました。胴体内に配備予定だったレシプロエンジンを撤去し、主翼下に国産ターボジェットエンジン「ネ330」を2基懸架する計画こそが「景雲改(R2Y2)」です。終戦によって図面と一部の木型段階で途絶えたこの幻のジェット構想が、改修更新という形で艦隊に実装されます。
この改修更新を果たすためには、イベント海域の突破や限定任務でしか手に入らない超希少アイテム「ネ式エンジン」が必須となります。さらに改修を支えるのは翔鶴型改二甲(翔鶴改二甲、瑞鶴改二甲)などの装甲空母たちです。
更新によって誕生する噴式景雲改は、通常の航空戦に先駆けて行われる「噴式強襲(先制攻撃)」を実行可能となります。敵艦隊の防空砲火を掻い潜り、開幕前に敵護衛艦艇を撃沈・中破に追い込む爆発的な殲滅力は、通常海域の周回のみならずイベント甲作戦のボスマス攻略において戦局を根底から覆す破壊力を秘めています。ただし、出撃ごとに「鋼材」を燃料代わりに激しく消費する運用コストの重さ、そして敵の強力な対空砲火に晒された際の撃墜リスク(ボーキサイトの大量消費)は、噴式機ならではの代償として常に頭に入れておかなければなりません。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「彩雲があれば不要」は本当か?
ネット上の掲示板やSNSでは、時折「彩雲さえあれば試製景雲(艦偵型)は作る必要がないのではないか」という極論が見受けられます。しかし、これは航空戦のメカニズムを部分的にしか捉えていない典型的な誤解です。
触接システムのアルゴリズムを詳細に紐解くと、触接は「第1段階:触接開始判定」と「第2段階:どの機体が触接するか(触接機決定判定)」の2ステップで処理されます。第1段階の開始率には艦載機全体の索敵値が大きく影響し、ここで索敵値+11を誇る試製景雲は極めて高いトリガー確率を叩き出します。彩雲のT字不利防止は確かに保険として有用ですが、すでに陣形や支援艦隊、基地航空隊で圧倒できる海域や、あえて反航戦・T字不利を許容してでも索敵スコアを最優先したいルートでは、試製景雲の持つ圧倒的な索敵ステータスが決定打となるのです。
【プロの結論】作成・改修すべき人・慎重になるべき人の判断基準
資源とネジには限りがあります。自身の艦隊運営のフェーズに合わせて、以下を明確な判断基準として提示します。
【今すぐ作成・改修を進めるべき提督】
- 装甲空母(翔鶴改二甲・瑞鶴改二甲)をすでに運用しており、先制打力を極限まで高めたい。
- イベントの「甲作戦」完走を目指しており、高難度海域の厳しい33式索敵スコア分岐に悩まされている。
- 改修資材(ネジ)とボーキサイトに一定の備蓄余力があり、ネ式エンジンを倉庫に眠らせている。
【当面は作成を見送る・慎重になるべき提督】
- 艦隊全体の改修(主力主砲、徹甲弾、ソナーなど)がまだ★0〜★4付近で停滞している。
- 空母の主力攻撃機(友永隊、江草隊、岩本隊など)の熟練搭乗員任務が終わっていない。
- 鋼材・ボーキサイトの日常備蓄が5万未満であり、日々の遠征回収で手一杯な状態である。
【試製景雲(艦偵型)】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:試製景雲(艦偵型)を複数機所持・運用するメリットはありますか?
A1:艦偵型としての複数所持の優先度は高くありません。艦上偵察機は艦隊に1〜2スロットあれば索敵・触接の役割を十分に果たせるためです。ただし、1機を「噴式景雲改」へと更新し、もう1機を純粋な「艦偵型」として手元に残すための2機持ちは、高難度海域のルート分岐対策として非常に有効な選択肢となります。
Q2:改修更新で「噴式景雲改」にすると、艦偵型は消滅してしまいますか?
A2:はい、工廠での改修更新は機体そのものを消費して上位装備へ進化させるシステムのため、元となった「試製景雲(艦偵型)」は艦隊から消滅します。高索敵の艦偵枠を失うことになるため、手持ちの彩雲改や二式艦偵の配備状況、索敵スコアの余裕を確認してから更新を実行してください。
Q3:ネ式エンジンを持っていません。試製景雲(艦偵型)のままで止めて使っても強いですか?
A3:十分に強力です。索敵値+11は現在でも艦偵カテゴリで最高クラスであり、T字不利防止を必要としない海域や、連合艦隊で空母キャリアーに搭載して索敵分岐を無理やり通す戦術において、単体の偵察機としてトップクラスの働きを見せます。
まとめ:幻の翼が現代の艦隊戦にもたらす決定的な戦術的価値
空技廠の技術者たちが日本の工業力の限界と戦いながら、速度という一点にすべてを賭けて設計した十八試陸偵「景雲」。その夢の続きを描いた「試製景雲(艦偵型)」は、歴史のifを単なる飾りで終わらせず、ゲーム内においても明確な索敵の優位性と噴式化への道筋という形でプレイヤーに提示されています。
彩雲の安定感に頼るだけの編成から脱却し、高索敵による確実なルート掌握と、将来的な噴式強襲による圧倒的先制火力を見据えること。この機体の真価を理解し、自艦隊の戦略マップに正しく組み込むことこそが、次なる激戦を制する決定打となるはずです。資材と計画をしっかりと整え、技術者たちの情熱が宿る幻の高速翼を、ぜひあなたの艦隊で羽ばたかせてみてください。 (出典: 試製 景 雲 艦 偵 型(Yahoo!ニュース))